SNSはなぜ人を動かすのか?一橋2026|難関大英語のヤバい教養

2026年の一橋大学英語は、かなり現代的な出題でした。

特に面白いのが、読解問題のテーマです。

大問Ⅰでは、TikTok発の栄養摂取法「Dinosaur Time / 恐竜タイム」が扱われています。

大問Ⅱでは、時間がかかることを許容できない、せっかちな現代人が扱われています。

一見すると、まったく別の話に見えるかもしれません。

片方はTikTokと食習慣。

もう片方は時間感覚と効率化社会。

しかし、この2題を並べて読むと、かなりはっきりした共通テーマが見えてきます。

それは、

テクノロジーが現代人の身体と時間感覚を作り変えている

というテーマです。

これ、英語の試験です。

でも、ほぼ現代社会です。

そして、ここが難関大英語の面白いところです。

単語と文法だけではなく、「この英文は現代社会のどの問題を扱っているのか」を見抜く力が問われています。

一橋大2026英語でTikTokが出た意味

まず、大問Ⅰです。

ここでは、TikTok発の栄養摂取法「Dinosaur Time / 恐竜タイム」が扱われています。

簡単に言うと、野菜を恐竜のように豪快に食べる、というようなSNS発の健康行動です。

ここだけ聞くと、

「え、一橋がTikTok?」

という感じがします。

いや、一橋、そこまで聞く?

と思う人もいるかもしれません。

でも、これをただのTikTokネタとして読むと浅いです。

本質は、若者文化の話ではありません。

本質は、SNSが人間の健康行動を変える時代になったということです。

昔なら、食習慣は家庭、学校、医師、栄養士、本、テレビなどから影響を受けるものでした。

ところが今は、TikTokやInstagram、YouTube Shortsのような短尺メディアが、人間の食べ方や健康意識にまで影響を与えています。

つまり、食べ方はもはや単なる個人の選択ではありません。

アルゴリズムによって流れてくる動画。

友達がシェアする投稿。

「これ、流行っているらしい」という空気。

そういうものによって、健康行動そのものが動かされているわけです。

ここが非常に現代的です。

食べ方がハックされる時代

大問Ⅰのポイントは、SNSが食べ方を変えているということです。

もちろん、人間は昔から周囲の影響を受けて食べてきました。

  • 家族の食文化
  • 地域の料理
  • 宗教的な食事制限
  • 学校給食
  • テレビCM

こうしたものは、ずっと人間の食習慣を作ってきました。

しかし、SNS時代になると、その影響のスピードと広がり方がまったく違います。

  1. 誰かが始めた食べ方が、短時間で世界中に広がる
  2. それを見た人が真似する
  3. 真似した人がまた投稿する
  4. その投稿がさらに拡散される

こうして、食習慣がメディアの中で増殖していきます。

これは、単に「若者がTikTokを見ている」という話ではありません。

現代人の身体が、デジタル環境に接続されているという話です。

私たちは、自分の意思だけで食べているように見えて、実はスマホの中の情報環境によって食べ方を変えられている可能性があります。

まさに、

食べ方がハックされる

ということです。

大問Ⅱは「待てない現代人」の話

次に大問Ⅱです。

こちらは、時間がかかることを許容できない、せっかちな現代人についての英文です。

これも非常に重要なテーマです。

  • 現代人は、待つことが苦手になっています。
  • ページの読み込みが少し遅いだけでイライラする
  • 動画の冒頭が退屈だとすぐ飛ばす
  • 長い文章を読む前に、要約を探す
  • 映画も倍速
  • 講義も倍速
  • 本も要約
  • ニュースもショート動画

こういう時代です。

もちろん、効率化そのものが悪いわけではありません。

忙しい現代人にとって、時間を節約することは大切です。

しかし問題は、効率化が進みすぎると、人間の時間感覚そのものが変わってしまうことです。

  • 時間がかかるものに耐えられなくなる
  • じっくり読むことができなくなる
  • 考えが熟成するのを待てなくなる

一見便利な社会が、実は人間の集中力や読解力を弱めているかもしれない。

大問Ⅱは、そういう現代社会批評として読むことができます。

時間感覚がハックされる時代

大問Ⅱのテーマは、時間感覚です。

昔の人間も、もちろん待つのが好きだったわけではありません。

ただ、現代は「待たなくていい環境」があまりにも整いすぎています。

  • すぐ検索できる
  • すぐ買える
  • すぐ届く
  • すぐ見られる
  • すぐ要約される
  • すぐ答えが出る

こうした環境に慣れると、人間は「時間がかかること」に弱くなります。

しかし、難関大英語はまさにその逆です。

  • 長い英文を読む
  • 抽象的なテーマを考える
  • 具体例と主張の関係を整理する
  • 筆者の立場をつかむ
  • 反論や譲歩を読む

これは、時間がかかる作業です。

つまり、現代のデジタル環境は、難関大英語に必要な力と真逆の方向に人間を引っ張っている可能性があります。

ショート動画的な情報処理に慣れすぎると、長文読解が苦しくなる。

これは受験生にとってかなり重要な問題です。

2題を合わせると見えるテーマ

ここで、大問Ⅰと大問Ⅱをつなげて考えてみます。

大問Ⅰは、SNSが食習慣を変える話。

大問Ⅱは、効率化社会が時間感覚を変える話。

つまり、2題を合わせると、

現代人の身体と時間感覚が、テクノロジーに作り変えられている

というテーマが見えてきます。

大問Ⅰでは、身体がハックされる。

大問Ⅱでは、時間感覚がハックされる。

この見方を持つと、一橋大2026英語はかなり面白く読めます。

単に、

「TikTokが出た」
「時間の話が出た」

ではありません。

SNS、アルゴリズム、健康行動、効率化社会、読書、集中力、現代人の身体感覚。

こういうテーマが横につながっています。

これが、難関大英語で求められる読み方です。

難関大英語は「現代社会の見取り図」を問う

難関大英語では、単語と文法はもちろん重要です。

しかし、それだけでは足りません。

特に東大、京大、一橋、阪大、早慶、医学部系の英語では、英文のテーマそのものがかなり現代的です。

たとえば、最近の難関大英語では、次のようなテーマがよく出ます。

  • SNSと人間関係
  • AIと人間性
  • アルゴリズムと判断
  • 健康行動と社会
  • 読書と集中力
  • 効率化社会
  • 時間感覚
  • 環境問題
  • アイデンティティ
  • 言語と思考
  • 身体とテクノロジー

こうしたテーマは、単語帳だけでは対応しにくいです。

もちろん、語彙力は必要です。

構文把握も必要です。

でも、英文を読みながら、

「これはSNSの話に見えるけれど、本質は人間の行動変容の話だな」

「これは時間の話に見えるけれど、本質は効率化社会への批判だな」

と見抜けると、読解の精度が上がります。

受験生が押さえるべき読み方

今回の一橋大2026英語から学べることは、かなり実戦的です。

まず、具体例で止まらないことです。

TikTok、Dinosaur Time、野菜、食べ方。

これらは具体例です。

もちろん本文を読む上では大事ですが、そこで止まると浅くなります。

その奥にある抽象テーマを考える必要があります。

つまり、

  • SNSが健康行動を変える
  • アルゴリズムが人間の身体に介入する
  • 若者文化が食習慣を作る
  • こういうレベルまで上げて読む必要があります

次に、大問Ⅱでも同じです

  • 待てない
  • 時間がかかることが苦手
  • 長い文章が読めない

こういう現象の奥には、

  • 効率化社会
  • デジタル環境
  • 注意力の分散
  • 読書と集中の困難

というテーマがあります。

英語長文では、具体例を通して抽象テーマを説明していることが多いです。

だから、受験生は常に、

「この具体例は、何を説明するためのものか」

を考える必要があります。

これは雑学ではなく、読解の武器

こういう話をすると、

「それって雑学じゃないですか?」

と思う人もいるかもしれません。

でも、違います。

これは雑学ではありません。

読解の武器です。

難関大英語では、英文の背景テーマが見えているかどうかで、読みやすさが大きく変わります。

たとえば、SNSの英文を読んだときに、

「SNSは便利です」
「SNSには悪影響もあります」

くらいで読むのと、

「SNSは人間の欲望、行動、注意力、身体感覚を変えるメディア環境である」

と見て読むのでは、理解の深さがまったく違います。

時間感覚の英文も同じです。

「現代人はせっかちです」

で終わるのではなく、

「効率化社会が、人間の集中力や読解力に影響している」

と読めるかどうか。

ここが難関大英語っぽいところです。

まとめ

2026年の一橋大学英語は、非常に現代的な出題でした。

大問Ⅰでは、TikTok発の食習慣。

大問Ⅱでは、待てない現代人の時間感覚。

この2題を合わせると、

テクノロジーが現代人の身体と時間感覚を作り変えている

というテーマとして読むことができます。

大問Ⅰは、食べ方がハックされる話。

大問Ⅱは、時間感覚がハックされる話。

そして、その背景にはSNS、アルゴリズム、効率化社会、読書と集中の困難、現代社会批評があります。

難関大英語では、単語と文法だけでなく、こうした教養テーマの見取り図を持っておくことが重要です。

一橋志望の人はもちろん、東大、京大、阪大、早慶、医学部などを目指す人にも、この視点は役立ちます。

英語長文を読むときは、表面的な話題だけで止まらない。

その奥にあるテーマを見る。

これは雑学ではありません。

読解の武器です。

関連図書・参考書

今回のテーマをさらに深く理解したい人向けに、関連図書・参考書を紹介します。

受験に必要な理解

難関大英語では、単語や文法だけでなく、「この英文がどのような現代社会のテーマを扱っているのか」を見抜く力が重要です。

今回の一橋大2026英語で言えば、大問ⅠはTikTok発の食習慣、大問Ⅱは待てない現代人の時間感覚がテーマでした。しかし、表面的には別々の話に見えても、2題を合わせると「テクノロジーが人間の身体と時間感覚を変えている」という共通テーマが見えてきます。

このように、具体例の奥にある抽象テーマを読む力が、難関大英語では非常に重要です。

参考書:北村一真『教養と英語力が身につく 英文読解 STANDARD

大学入試英文を、単なる問題演習ではなく「教養ある英文を読む訓練」として捉えたい人には、北村一真先生の『教養と英語力が身につく 英文読解 STANDARD』も参考になります。

英文の構造と論理を正確に読みながら、背景にある教養テーマまで理解したい人向けの一冊です。

関連本1:戸谷洋志『SNSの哲学:リアルとオンラインのあいだ

今回の「SNSはなぜ人を動かすのか」というテーマを考えるうえで、最も直接的に関連する一冊です。SNSを単なる便利な道具としてではなく、承認、時間、言葉、偶然、連帯といった観点から考える本なので、一橋大2026英語の大問Ⅰを「TikTokネタ」で終わらせず、SNSが人間の行動や時間感覚に与える影響として読む助けになります。

関連本2:三宅香帆『なぜ働いていると本が読めなくなるのか

大問Ⅱの「時間がかかることを許容できない現代人」というテーマと相性がよい一冊です。なぜ現代人は本を読みたいのにスマホを見てしまうのか、なぜ長い文章やノイズを含む読書が難しくなっているのかを考える入口になります。

関連本3:アンデシュ・ハンセン『スマホ脳

スマホやSNSが、人間の集中力・記憶・睡眠・学習にどのような影響を与えるのかを考える入口として読みやすい本です。

今回の一橋大2026英語の大問Ⅱ、「待てない現代人」「長文を読むことの困難」というテーマと接続しやすい一冊です。

関連本4:アダム・オルター『僕らはそれに抵抗できない』

SNSやスマホアプリが、なぜ人間を引きつけ、行動を変えてしまうのかを考えるうえで参考になる本です。

今回の大問Ⅰを、単なるTikTokネタではなく、「デジタル環境が健康行動や食習慣を変える話」として読むための背景知識になります。

発展本:メアリアン・ウルフ『デジタルで読む脳×紙の本で読む脳』

デジタル環境の中で、私たちの読書や集中の仕方がどう変わるのかを考える発展本です。

一橋大2026英語の大問Ⅱのように、「現代人はなぜ長い文章や時間のかかる作業に耐えにくくなっているのか」というテーマを深く理解したい人に向いています。

さらに発展させるなら、

大学生以上:ショシャナ・ズボフ『監視資本主義』

もありです。SNSやプラットフォームが人間の行動データを収集し、未来の行動予測や行動形成に関わるという巨大テーマを扱う本なので、「SNSはなぜ人を動かすのか?」の理論的な背景としてはかなり強いです。ただし分量も内容も重いので、受験生向けブログでは「発展中の発展」として軽く触れる程度がよいです。東洋経済新報社。

YouTube

この内容は、YouTube動画でも詳しく解説しています。

2026年一橋大学英語を題材に、TikTok、SNS、食習慣、時間感覚、効率化社会というテーマを、「難関大英語のヤバい教養」として解説しています。

英語長文を単なる問題演習で終わらせず、背景テーマまで深く理解したい人は、ぜひ動画もご覧ください。

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